IDが「整頓」するのは、学習の「入り口」と「置き場所」です。
つまりそれは、「誰が・いつ・どこで・何を学ぶのか」を迷わせない設計のことです。
「〇〇部はこのトレーニング動画を見てください」
「△△部はXXで研修を受けてください」
「□□部は新しいeラーニングを導入したので、各自対応をお願いします」
「派遣社員の方は、この資料を読んでおいてください」
部署や立場ごとに研修方針が異なり、教材や資料の置き場所もバラバラ。
こうした状態では、情報の共有もしづらく、成果の把握も困難になります。
今、多くの企業がこのような 「教育リソースの交通渋滞」 に頭を悩ませています。
そこで注目されているのが、ID(インストラクショナル・デザイン) という考え方です。
企業が「IDの専門家」を求め始めるのは、単に新しい研修を作りたい時ではありません。
社内の教育が自力では整理しきれなくなり、
「何がどれだけ役に立っているのか分からない」状態に陥った時なのです。
そこで本記事では、IDの視点から 「学習手段」と「置き場所」をどう整頓するかについてお話しします。
「手段の洪水」を整頓する:メディア・セレクション
部署や個人によって、課題や研修環境は異なります。
そのため、
「アプリで学べた方が手軽だ」
「これからはウェビナーの時代だ」
といったように、手段(How)から考え始めると、研修はどんどん散らかっていきます。
本来はチュートリアル動画1本で済む内容なのに、
各部署がそれぞれステップバイステップガイドを作り、
別々の場所に保存している——そんなケースも珍しくありません。
こうした場面でIDが重視するのは、
- 学習目標(何ができるようになってほしいのか)
- 対象者の条件(使える時間、環境、前提知識 など)
といった前提条件です。
それらを踏まえた上で、例えば以下のように最適な研修方法を選択・提案します:
- 知識のインプット:eラーニング、動画ライブラリ
- スキル習得の練習:ロールプレイ、対面ワークショップ
- 現場でのド忘れ防止やサラッとおさらい:ジョブ・エイド(クイックリファレンス)
「あれもこれも」と足すのではなく、
目標に照らして「今はこれが最善策だ」と決めること。
これが、戦略的な整頓の第一歩です。
「置き場所」を整頓する:LMSとコンテンツライブラリ
研修手法を絞り込んでも、
それらがバラバラに存在していては、学習者は迷ってしまいます。
例えば、
- 次に何をやればいいのか分からない
- どこに資料があるのか探し回る
- 管理側も、誰が何を終えたのか把握できない
といった状態を防ぐのに重要なのが、
「必要な時に、必要なものに手が届く」環境を作ることです。
その際、たとえばLMS(学習管理システム)を使えば、
受講者ごとに「受けるべきコース」を整理したり、「今どこまで終わったか」などの進捗を一覧で管理できます。
また、散在しがちな資料はコンテンツライブラリとして集約しておくことで、
探す手間を大きく減らせます。
これは単なるシステム導入の話ではありません。
「ここに来れば、次にやるべきことが分かる」という、 学習者が迷わず進める 一本の道を設計すること なのです。
まとめ:今、企業に求められている「整頓」
コロナ以降、企業研修の形は急速に多様化しました。
さらにAIや新しいIT技術の登場によって、新しい手法やトレンドは次々と生まれています。
それらを追いかけながら、常に整理し直すのは簡単なことではありません。
企業がIDを必要とするのは、もはや「良いコンテンツ」があるだけでは不十分だと気づき始めたからでしょう。
膨大な情報の中から、「必要なものを、最適な形で、最短距離で届ける。」という「整理・統合する力」 こそが、 今の企業教育に最も不足しているピースです。
そこでIDは、新しい研修を「増やす」ための手法ではなく、すでにある学習を「機能する形に整え直す」ための設計思想だと捉えてください。
そしてIDがこのような「お困りごと」を解決できた時、企業の学びは、ようやく前に進み始めます。
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