「研修をEラーニング化(デジタル化)した方がいいよね……」
そう思いつつも、いざとなると腰が重くなる。あるいは対面(アナログ)推進派から「対面じゃないと意味がない」「画面越しでは熱量が伝わらない」などと猛反発を食らう。そんな経験はありませんか?
前回の記事で、研修をID(インストラクショナルデザイン)の視点で構造化し、整理整頓する大切さをお伝えしましたが、今回は、対面からデジタルに移行する際に「気が進まない」原因について見ていこうと思います。
「デジタル化?無理。」となる理由
なぜ私たちは、デジタル化と聞いただけで「別モノ」だと構えてしまうのでしょうか。ITスキル不足?今までのやり方で困ってないから変えなくていい?前例がない?
ひとつの理由として、『対面での「温度」や「現場の空気感」という武器が奪われることへの不安』があるのではないでしょうか。「講師の熱量でなんとか乗り切ってきた」「受講者の顔色を見てその場で内容を変えてきた」――。そうした、いわば「現場の職人技」が封じられてしまう気がする、、、。デジタルはわからない、、、。不安になるのもわかります。
しかし、「対面」や「デジタル」はあくまで提供する「手段」であって、「研修」や「学習」という「目的」は変わりません。
実は『手段(器)』が変わることに怖気づいているだけで、『教育のプロとしての腕(設計力)』が否定されたわけではないのです。
そこで、一度立ち止まって、提供する「中身」を整頓してみましょう。
「手段」は変わっても、「原理原則」は変わらない
ここで、一番大事なのは、 対面(アナログ)だろうが、デジタルだろうが、教育設計(インストラクショナルデザイン)における「Instructional Principles(教育の原理原則)」は同じだということです。
例えば、そもそもなぜ研修や学習が必要なのでしょうか。その原点に戻ると、例えば以下のようなポイントが挙がってきますね:
- 問題特定: いま、現場で何が起きているのか?
- 目標設定: 解決のために、受講者が「何ができるようになれば」いいのか?
- 達成支援: その目標に向けて、どう学習を導くか?
これらは対面だろうがデジタルだろうが、1ミリも変わらない本質です。多くの人がデジタル化に怖気づくのは、この「手段」の変化を「目的」の変化だと勘違いしてしまうからです。
デジタル化とは、新しい魔法を覚えることではありません。あなたが対面研修で培ってきた「問題を解決し、目標を達成させる」というスキルを、ただ別の器(メディア)に載せ替えるだけのことなのです。
「デジタルだから」という言い訳を卒業する
もし、実施した研修で思うような成果が得られなかったとき。私たちはついつい、こんな「言い訳」を探してしまいませんか?
- 「やっぱりオンラインだと、受講者の集中力が持たないよね」
- 「対面じゃないから、講師の熱意が伝わらなかったんだ」
でも、あえて立ち止まって考えてみると、それは「手段」を犯人に仕立て上げて、本質から目を逸らしているだけかもしれません。
成果が出ない本当の理由は、デジタルという「形式」にあるのではなく、例えば
- そもそも課題設定がズレていた
- 目標が曖昧だった
- 学習者が達成するためのステップが不十分だった
などの「設計(アプローチ)」の不備にあることがほとんどです。
「デジタル化したから失敗した」のではなく、「設計の不備が、オンラインという環境で露呈しただけ」といったように、きちんと原因を追及して潔く認めることが、研修をアップデートする大きな第一歩になります。
まとめ:注目すべきは「器」ではなく「設計」
対面もデジタルも、あくまで学習者の目標達成を支えるための「手段」に過ぎません。
「手段」のせいにするのをやめて「原理原則」に注目することで、研修は場所や形式を選ばず、どこでも成果を出せる「本物」へと進化します。
テクノロジーは進化しますが、人が学ぶ仕組み(原理原則)はそれほど簡単には変わりません。だからこそ、私たちが学ぶべきは「ツールの使い方」ではなく、「原理原則の活かし方」なのです。
これさえ忘れなければ、対面からデジタルになっても、絶対にいいプログラムを提供できるはずです(^^)。そして、こうした「気持ちの引っかかり」や「思考の混乱」を整理し、研修を“設計の言葉”で捉え直すのが、IDの役割です。
【企業研修・ID導入等のご相談はこちら↓↓↓】
→ [お問い合わせページ]
→ [無料カウンセリング予約ページ]

Leave a comment