研修を設計する際、Job Aid(パッと見て確認するための資料)をセットで作ることがあります。
「パッと見て確認する用」なので一目でわかるように作るのが理想ですが、これが言葉で言うよりずっと難しい(苦笑)。あれもこれも確認すべきなような気がして色々入れたくなってしまうのです(笑)。そうすると、気づけば3〜4ページの「ミニマニュアル」になっていた……というのは、IDあるあるです(もしかしたら「私あるある」かもですが(笑)。)。
しかし、インストラクショナルデザイン(ID)の視点で言えば、Job Aidの価値は情報の量ではなく、「引き算の美学」にあります。
そこで本記事では、Job Aidを作る際のポイントについてお話しします。
なぜ「1ページ」が鉄則なのか?
「あれ?これどうやるんだったっけ?」、「送信ボタンを押す前に確認しよう」など、「ちょっと確認したい」時に、わざわざ30分のトレーニングコースにアクセスしたい人はほとんどいないと思います。現場で手が止まった瞬間、受講者が求めているのは「学習」ではなく「答え」ですからね。
だからこそ、スクロールやページ遷移を必要としない「1ページ完結」が理想になります。
さらに1ページであれば、使い方の自由度も高まります。例えば、
- 印刷して手元に置く
- 壁に貼る
- PCに保存してすぐ開く
といった使い方がしやすく、結果として現場での利用率が大きく変わってきます。
「1ページ」に収めるための断捨離術
とはいえ、情報を削るのは勇気がいります。
「念のため」「もしものため」と考え始めると、いくらでも増やせてしまいますよね。
筆者も同じで、「たられば」を考え始めると止まりません(苦笑)。
そんなときは、次の3つの視点で整頓してみましょう。
- 「例外(レアケース)」を手放す:100回に1回しか起きないケースは、Job Aidには載せず、あくまで日常業務の80%を確実に回せることにフォーカスする。レアケースは「上司に確認」または「詳細マニュアル」に委ねる。
- 「Key Actions」と「Key Reminders」に絞る:「最低限やるべきこと」と「ミスを防ぐ注意点」に集中する。補足情報を入れるか迷ったら、「これがないと行動に支障が出るか?」で判断する。
- 文字よりビジュアル:長い文章よりも、スクリーンショットや図解、一覧表を優先する。 「読む」負担を減らし、「見て理解できる」形に整える。
設計者の「不安」を整頓する
1ページに収まらない最大の理由は、実は設計者側の不安です。
「これだけで本当に大丈夫?」、「情報が足りないと思われない?」など、自分が実際に使うわけではないからこそ、心配になってしまいますよね。
しかし、情報を詰め込みすぎて「誰にも使われない資料」になる方が、よほど大きなリスクです。
大事なのは、
「現場の人が、この瞬間に次の一歩を踏み出すために何が必要か」にフォーカスすることです。
Job Aidは「すべてを教える資料」ではなく、「行動を支える資料」であり、もしそれで足りなければ、そのとき初めてトレーニングや詳細資料に戻ればいいのです。
おまけ:どうしても収まらない時の「裏ワザ」
それでも削れない、、、というときの最終手段として、「インフォグラフィック化」があります。
構造化された図解やアイコンを使えば、文章なら3ページ分の情報も、視覚的に1ページに収めることができます。
「一応1ページだし。」という逃げ道として、筆者もよく使います(気分は一休さんです(笑))。
ただしその分、情報の優先順位(Visual Hierarchy)は必須です。
詰め込みすぎて一反木綿みたいな1ページ(笑)にならないように気を付けましょう。
まとめ:1ページは「優しさ」のデザイン
情報を削るのは、手抜きではなく、忙しい現場で働く人の「脳のリソース」を守るための設計です。
つまり、1ページに収めること自体が「優しさ」なのです。
あなたのJob Aidも、思い切って「1枚」に収めてみませんか?
そこに、本当に伝えるべきものが見えてくるはずです。
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