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Category: 日本語記事
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前回はリサーチ(Analysis)における目標設定の落とし穴について書きましたが、今回は設計(Design)における落とし穴あるあるです。これは私もあります(笑)。 エゴデザイン リサーチをしっかりやって学習目標も決めました。さぁデザインしていきましょう。 「あ、これ大事よね、あ、これも大事だから絵で解説しようかしら、ここはしっかり説明しないといけないから1ページ取っちゃいましょう。」 、、、これ学習目標何だったっけ? 、、、ありがちです(苦笑)。 溢れ出る情熱をそのままデザインに反映させてはいけません(笑)。IDのプロセスにおいて、この「エゴデザイン」は、ゴールを決めた船が、あらぬ方向へ進んでしまう原因となります。 今回は、この熱意が仇となる二つの落とし穴を見ていきましょう。 エゴデザインあるある この落とし穴は、主に「個別の集中」と「全体構造の喪失」によって発生します。 1. 「あれもこれも」と知識を詰め込みすぎる ありがちな状況としては、「あれも大事これも大事」と、学習目標達成には不要な背景情報や補足知識などをどんどん追加したり、学習者の目に留まるように、派手なアニメーションや複雑な機能を盛り込んでしまったりすることがあります。 知識を詰め込みすぎると、学習プログラムの「核となるポイント」がわかりにくくなり、学習者は混乱します。また、情報量過多なプログラムで圧倒され、やる気や自信をなくしてしまいます。 IDの解決策: こういった状況を防ぐには、溢れ出る情熱は保ちつつ(笑)、設計の全工程で、「この情報は、学習目標の○○という行動にどう貢献するのか?」という単一の問いに立ち返るチェックリストを持つことです。また、チャプターやセクションなどの節目節目で全体の流れをチェックすることも重要です。 2. 個々の要素に集中しすぎて、全体の流れを壊す これもまたありがちですが、デザイナーが、例えばチャプター①の出来栄えに熱中しすぎるあまり、そのチャプター①の知識からチャプター③の実践にどう繋がるかといった「全体の流れ(シークエンス)」までは考えていないというようなことがあります。燃え尽き症候群ですね(笑)。 学習プログラムは、独立したパーツの合計ではありません。学習者が「最も効率的かつ記憶に残る順序」で知識やスキルを積み上げられるように、各要素を構造化していかないといけません。個々のパーツが素晴らしくても、「バラバラな情報の寄せ集め」では記憶の定着や現場での応用が難しくなります。理由付けや意味づけで個々を関連付けた方が、記憶に残りやすく定着しやすいですよね。 そこで、設計の初期段階で学習ロードマップ(全体像)を視覚的に作り、個々の集中よりも全体の流れを優先するチェック体制を設けることが重要です。 まとめ:デザインの目標は、作り込むことではない 今回は、私もよく陥りがちな「エゴデザイン」についてお話しました。 IDの設計・開発の目標は、「学習者に寄り添い、効率よく学習目標を達成させること」です。デザインは自己満足ではなく、学習者をゴールへ導くための手段であることを常に意識しておく必要があります。 では、次回はどの「あるある」を書こうか、また決めておきますね 🙂 【企業研修・ID導入等のご相談はこちら↓↓↓】 → [お問い合わせページ] → [無料カウンセリング予約ページ]
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今回は、学習環境を作る際に陥りがちな「落とし穴」についてご紹介したいと思います。 目標迷子(What なのか How なのか) 家づくりにはしっかりした土台が重要であるように、学習プログラムの作成においてもしっかりした土台は重要です。その「土台」となるのはリサーチです。リサーチが甘いと、その上に何を建てても不安定なものが出来上がります。 よくある落とし穴の一つとして、学習プログラム作成の最初の一歩である「問題のリサーチ(分析)」が甘いと、目標設定も甘くなります。 多くの企業研修でありがちなのが、リサーチが不十分なことによって現状をきちんと把握できておらず、例えば、「とりあえずリーダーシップについてプログラム作って理解してもらうか」など、目標を「ふわっと」設定してしまうことです。これだと、目標がどの程度達成されたかを測ることができません。それこそ「ふわっと」は感じるかもしれないですけどね。 その結果、目標が「〜の理解」「〜の習得」などと曖昧な知識レベルで進み、研修を受けても、現場での行動(パフォーマンス)に変化が出ないという、ビジネス成果につながらない不毛な結果に終わってしまいがちです。 インストラクショナルデザイン(ID)の解決策 IDの観点では、目指すのは「行動(パフォーマンス)目標」です。リサーチ段階で、「学習者の現時点のスキルレベル」と「研修後に会社が求める具体的な行動」をきちんと紐づけます。 例えば、先述のリーダーシップ研修の場合、リサーチを行って「学習者はリーダーシップの知識は十分だが、それが現場でいかされていない(スキルに繋がっていない)。どういかせばいいかわからないという声がある」という情報を得たとします。 そこで「知識を実際の現場に生かせるようにする」という目標を立てれば、「じゃあケーススタディを盛り込もう」「ロールプレイでやってみよう」など、より実践的なトレーニングを作る指針となるわけです。 そのために、リサーチ段階できちんと現状を把握して必要な情報を集め、「どのレベルに到達すれば、現場で具体的にどんな行動ができるようになるのか」という研修後に測定可能な行動を目標に定めるのです。これが決まることで、初めてそのトレーニングプログラムが学習者に提供する価値が決まります。 まとめ 今回の記事では、IDにおける土台であるリサーチ(Analysis)が甘いことによる「目標迷子」という落とし穴についてお話しました。 目標設定は、現状の課題をきちんと把握して、例えば「〜の理解」や「〜の習得」といった知識レベル(What)が目標なのか、「研修後に測定可能な具体的な行動(How)」まで掘り下げるのが目標なのかなど、リサーチに基づいた目標をきちんと立てることが重要です。これが決まらない限り、トレーニングプログラムはビジネス成果につながらない不毛なコストになりかねません。 リサーチ段階でこの落とし穴を避けることが、あなたの研修を「コスト」から「投資」に変える第一歩です。 次はどのあるあるを書こうかな 🙂 【企業研修・ID導入等のご相談はこちら↓↓↓】 → [お問い合わせページ] → [無料カウンセリング予約ページ]
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インストラクショナルデザイン(ID)とは、「誰もが成果を出せる学習環境をつくる専門家」です。 例えば、「新入社員用の企業研修マニュアル」があったとしましょう。それが300ページにも及ぶマニュアルで「これ読んでおいて。あとでテストするから。」と言われたら、どうでしょう。受講者はテストに怯え、内容をただ頭に詰め込むだけで終わってしまい、テストが終われば知識は現場で使われることなく抜けていってしまうでしょう。 これが ID の手にかかれば、その非効率な学習体験は「成果につながる学習環境」へと大変身です。その一例として、ADDIEに基づくインストラクショナルデザインの過程をご紹介しましょう。 まずは ADDIE の「A(Analysis)」 IDがまず行うのは、徹底したリサーチ(Analysis)です。ここはすごく重要で、ここが甘いと大けがをします(そのうちIDの落とし穴あるあるでも書いてみます)。 リサーチの段階では、「なぜそのマニュアルを読む必要があるのか?」「そもそも300ページを全て読まなければ、業務に支障が出るのか?」など、関係者と連携します。そして、「最終的に会社のビジネス成果にどう影響するか」という視点で、現時点の課題、学習の目的、達成目標などを客観的に分析して決めていきます。 次は ADDIE の「D(Design)」 そのゴールが決まれば、次は「設計(Design)」です。どうすれば学習者が最も効果的にスキルを習得できるかを検討し、内容を学習しやすい「仕組み」**へと変えていきます。 例えば、リサーチで「学習者が業務中に費やせる時間は限られている。1日10~15分が限度」という情報を得ていたとしたら、1チャプターを10分以内に収める設計をします。また、リサーチで「習得してもらいたい重要な行動」についての情報を得ていたら、その効果的な習得法として、「実際の業務に基づいた実践的なケーススタディ」を提案し、現場での意思決定力を高める学習環境を構築していくのです。 そして ADDIE の2番目の「D(Development)」 設計が固まったら、いよいよ開発(Development)です。ここでは、いきなりすべてを完成させるのではなく、「プロトタイプ(試作品)」をサクッと作り、担当者や少数のユーザーに試してもらいます。この段階で、例えばオンライン学習を提供するなら、PCだけでなくスマートフォンでもストレスなく学べるレスポンシブデザインは、学習の障壁を取り除くための設計上の義務として組み込みます。 この「試作品」の段階で、ユーザーテストやフィードバックを得て修正を繰り返すことで、大規模な手戻りを事前に防ぎます。 ついに ADDIE の「I(Implementation)」 準備が整ったら、コースの実施(Implementation)です。実施して「はぁ~終わった~」ではなく、IDの仕事はまだまだ続きます。 実際のコース提供を始めると、開発段階では想定しなかった「運用上の問題」や、「学習効果のばらつき」が生じることがあります。これこそがIDの最終ステップ評価(Evaluation)が最も重要になる瞬間です。 最後に ADDIE の「E(Evaluation)」 そこで、最初に設定した「ビジネス成果」というゴールに基づいた指標(例:業務ミスの減少率など)を継続的に計測・評価し(Evaluation)、データが示す課題に応じて学習環境をアップデートしていきます。ここでもし新たな問題が生じたら、A(Analysis) に戻ってリサーチです。 IDは一度作って終わりではなく、継続的に効果を高め続ける「改善サイクル」をつくるお仕事なのです。 まとめ このような感じで、インストラクショナルデザイン(ID)とは、勘や経験ではなく、科学と体系的なプロセスで「成果」をデザインするお仕事です。 次は、学習環境を作る際に陥りがちな「ID の落とし穴あるある」について書いてみますね。 【企業研修・ID導入等のご相談はこちら↓↓↓】 → [お問い合わせページ] → [無料カウンセリング予約ページ]
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はじめまして AP Learning の酒井です。日本出身ですが、現在はカナダを拠点にインストラクショナルデザイナーとして活動しています。 インストラクショナルデザイナーって? 「学習目標に沿ったカリキュラムを設計・開発する人」と言うと少し堅いですが、要は 「学びやすい学習環境をつくる専門家」 です。例えば新入社員研修などの学習プログラムを設計するときに、学習者の背景や目的を考えながら、「知識が定着しやすい」「自信を持って取り組める」学習プログラムをデザインしていきます。 AP Learning を始めた理由 きっかけは「リスク分散」という現実的な理由でした。仕事はいつなくなるかわからない。それなら「自分の強み」である教育を、自分の意思で自由に届けてみたい。そう思ったのが始まりです。 AP Learning の理念 学びの根っこはシンプルです。私が大切にしているのは、どんな学習者に対しても: これは幼児教育でも、成人教育や企業研修でも同じです。アプローチは違っても、学習者が「できた!」と感じる瞬間こそが知識の定着につながり、学びが楽しいものになります。 今後の展望 これから少しずつ活動を広げていきながら、AP Learning を通してより多くの人に「学びの楽しさ」と「効果的な学習体験」を届けていきたいです。どうぞよろしくお願いします! おまけ:AP Learning の名前の由来 ちなみに、AP Learning の「AP」は Awesome Pawsome Learning の略です。「学びって最高!(Awesome)」で、「一歩ずつ前に進む(Pawsome)」という気持ちを込めました。あと、、、ロゴに肉球を入れたかった(笑)。ちょっと遊び心のある名前ですが、理念や取り組みは本気です。 【企業研修・ID導入等のご相談はこちら↓↓↓】 → [お問い合わせページ] → [無料カウンセリング予約ページ]
