昨今のAIの進化は目覚ましく、これまで人が担ってきた多くの仕事を肩代わりするようになりました。
「仕事が楽になった」と感じる一方で、「このまま自分の仕事も奪われるのでは?」という不安を抱いている方も多いのではないでしょうか。
インストラクショナルデザイン(ID)の世界も例外ではありません。
「AIがカリキュラムを一瞬で作れるなら、IDの役割は不要になるのでは?」と感じる場面もあるでしょう。
では、本当にIDの仕事はなくなるのでしょうか。
そこで本記事では、AIとIDの仕事の今後についてお話しします。
IDはこの先AIに取って代わられる?
結論から言えば、IDの「作業」はAIに置き換わっていきます。
すでに、次のような領域はAIが非常に得意としています:
- 情報の整理・要約
- 教材のドラフト作成(学習目標(LO)、クイズ、スクリプトなど)
- トーン調整や言い換え
これらは、AIによって大幅に効率化されていく部分です。
もし私たちの仕事が「言われた通りに教材を形にすること」だけであれば、AIに置き換わるのは時間の問題でしょう。
ただここで重要なのは、IDの本質は「作業」ではなく、「設計」にあるということです。
AIに作業を任せられるようになった今、私たちはむしろ
「この設計で本当に行動が変わるのか?」
という、最も重要な問いに時間を使えるようになったのです。
電卓の登場で会計の仕事がなくならなかったのと同じです。
計算の手間が減った分、「数字の意味をどう解釈するか」という判断に価値が移っただけです。
ポイントは「AIをどう使うか」
AIによって仕事がなくなるかどうかは、結局のところ「AIをどう使うか」にかかっています。
例えば:
- ストーリーボード作成後に「論理の飛躍がないか」をAIにチェックさせる
- フィードバックを「具体的にどう反映するか」をAIに整理させる
こうした使い方をすることで、アウトプットの精度を事前に高めることができます。
その結果として、人間同士の打ち合わせは
「確認」ではなく「意思決定」や「議論」に使えるようになります。
AIはあくまで道具であり、何を実現するかを決めるのは、絶対に人間なのです。
AIに任せられない、IDの3つの領域
では、AIがどれだけ進化しても残るものは何かと考えると、次の3つのような気がします:
1. 「組織の文脈」を読み解く
AIは一般解には強いですが、「その組織ならではの事情」には対応できません。
過去の失敗、文化、暗黙の前提——こうした要素を踏まえた設計は、人間にしかできません。
2. SMEの「暗黙知」を引き出す
専門家は「できる」けれど「説明できない」ことが多いものです。
対話を通じてそれを言語化し、学習可能な形にするのは、IDの重要な役割です。
3. 学習者の「感情」を動かす
学習は情報の伝達ではなく、「行動変容」です。
動機づけ、不安への寄り添い、挫折のケア——これらは、人の感情に共感できる存在でなければ設計できません。
まとめ:AI時代に強くなるIDとは
AIによって、IDの「作業」は確実に減っていきます。
しかし、それは役割の終わりではなく、むしろ進化です。
AIを使いこなすことで、私たちは 「人にしかできない設計」により集中できるようになります。
主導権をAIに渡すのではなく、AIを使いこなす側に回るというのが、これからのIDに求められるスタンスです。
もし今も「作業」に時間の大半を使っているなら、それはAIではなく“設計”に時間を戻すタイミングかもしれません。
AIという強力な道具を味方につけて、これからも「本当に伝わる学習体験」を設計していきましょう。
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